研究課題/領域番号 |
19K15166
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
矢吹 剣一 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任助教 (10837090)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 人口減少 / 土地利用計画 / ダウンゾーニング / 合意形成 / 米国 / 郊外住宅地 |
研究実績の概要 |
本研究は、米国中西部から北東部に分布する人口減少都市を中心として導入が進む容積率の低減等を図る土地利用規制であるいわゆる「ダウンゾーニング(DZ)」の事例について、その実現に至った要因を明らかにするものである。分析にあたっては計画手続き(住民参加と合意形成)および空間計画(土地の利用用途と空間的な規制内容)の2つの視点を設定している。 2021年度は、新型コロナウイルス感染症の蔓延の影響で現地調査が困難であったことから、前年に引き続き主に文献調査(学術論文および自治体が公表している情報の収集)と、その分析・考察の作業を実施した。 また、人口減少に直面している日本の郊外住宅地についても、ゾーニング(用途地域)変更の事例が確認された。日本の事例の場合は既に低容積率が指定されている場合が多く、用途規制も厳しいことから、むしろ部分的に用途緩和を実施し住宅地の持続可能性を高めていることが判明した。さらに現在の土地利用規制は歴史的な指定経緯の影響を色濃く受けていることが文献調査により明らかとなった。こうした現行土地利用規制の経時的な分析は米国の調査においても有効な手法であると考えられる。 以上、後半の分析は国内事例ではあるが、米国の土地利用規制制度の我が国への応用を鑑みると、有益な情報と考えられることから、継続的に詳細な分析を進めていくこととする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度に引き続き、米国における現地調査(視察等)の実施は不可能な状況であった。そのため、これまでの研究を継続し、文献調査や行政公開資料に基づき米国のダウンゾーニングを実施している事例に関する論点を整理した。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度については、これまで収集した情報に基づき、米国における現地調査(インタビューや行政文書の集中)を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
申請時点で予定していた米国における現地調査について、2020年度に引き続き新型コロナウィルス感染症の拡大により延期を余儀なくされたため、補助事業期間の延長申請を実施し、2022年度以降に現地調査を実施するよう計画変更した。
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