研究課題/領域番号 |
19K15169
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
水谷 晃啓 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20709919)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | デザイン支援システム / デジタル・ファブリケーション |
研究実績の概要 |
本年度は木育・地域連携活動に資するデザイン支援システムの改良・開発を進め,その評価を行った。2019年8月に地域の高校生を対象に,2019年9月には高専生を対象に開発したデザイン支援システムを用いたデザイン入力からデジタル・ファブリケーションまでを行う検証実験を行った。これらの実験に加え,デザイン支援システム改良作業中は,研究代表者が所属する豊橋技術科学大学建築・都市システム学系の大学院生に対しデモンストレーションを断続的に実施した。これらの実験と開発・試作作業を通し,予定していた紙とペンでスケッチを行う感覚で入力可能なタブレット端末を用いたデザイン支援システムの改良を完了させ,2019年12月に建築・建設分野の専門家を含む30名に対し,デザイン入力におけるデバイス(マウス,液晶ペンタブレット,タブレット型PC)の比較・検証実験を行った。その結果,開発を行ったタブレット型PCにて感覚的に入力することができるデザイン支援法に優位性があることがわかったが,デザイン入力における再帰的な操作(入力エラー,やり直しへの許容)に関して問題があることが明らかになった。合わせて,ワークショップへのデザイン支援システム導入に際して,それらの課題を解決する必要があることがわかった。この結果は2019年度 豊橋技術科学大学大学院工学研究科 修士論文「即時的なデザイン手法における入力デバイスの比較評価と考察」(奈良祥平)としてまとめ,2020年度に学会発表を予定している。現在,今年度実施予定の実験(ワークショップ)実施に向け「一筆書き形式」から「塗り絵形式」へのシステム仕様変更作業に取り組んでおり,デザインの修正,再入力(やり直し)がストレスなく可能なデザイン支援システムへの再改良を行なっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年度の計画部分は予定通り完了させることができたが,「研究実績の概要」に記載した通りデザイン支援システムを試験的に導入してみた結果,新たな課題が見つかった。この課題を残したまま2020年度の計画を遂行することも可能ではあったが,課題解決を行ったうえで研究を進めた方が,より発展的な研究展開が期待できることから再改良作業に着手した。また合わせてコロナ禍の影響により,2020年3月に予定していた一般市民を対象とした実験やワークショップの実施ができておらず,同様に2020年度実施予定の実験やワークショップの開催の見通しもたたないことから,予定よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度日本建築学会大会(関東)学術講演会での発表を予定している。より発展的な研究展開を期待し,デザイン支援システムの再改良を優先するよう計画変更する。今年度予定していた一般市民を対象としたワークショップの開催について先行きが不透明だが,試験的に行った「オンラインワークショップ」に一定の手応えを感じており,今後のコロナ禍の状況次第だが,対応可能な部分について「オンラインワークショップ」での研究遂行を検討していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していたワークショップがコロナ禍の影響で中止になったため,その分の材料費および旅費・人件費の予算執行がなかったため。この部分をデザインシステム再改良のための予算に充当し,翌年度文として請求した助成金と共に予算執行していく予定である。
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