研究課題
若手研究
さまざまな都市がもつ独自の様相(雰囲気や佇まい)を、街路空間に着目して解明するための方法論を確立し、国内20都市において実際の分析を行なった。街路の幅員や方位などの配合を「街路構成」という概念で捉え、それを定量的な方法で可視化することができた。また各都市の広い範囲の中から代表的な街路を抽出し、そこで撮影した全方位映像を被験者に提示し、どのようなことを感じ取るかを調べるための実験の方法を開発した。
都市の様相論
都市の様相(雰囲気や佇まい)は、都市の全体性や複雑性に深く関わる漠然とした概念である。このような性質ゆえに、都市の様相はそのデザインをすることが非常に難しいばかりか、客観的に測定・分析する方法さえ確立されていない。本研究では街路空間、特にその幅員や方位などの構成に着目することで、都市の様相を定量的に可視化することができるようになった。居心地のよい都市のデザインに、街路の視点からアプローチするための、重要な基礎研究となる。