研究課題/領域番号 |
19K15175
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
宗政 由桐 山形大学, 大学院理工学研究科, 准教授 (90772690)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 複合施設 / 高齢者施設 / 児童福祉施設 / 世代間交流 / M-GTA |
研究実績の概要 |
施設形態として高齢者施設と児童福祉施設に焦点を当て,両施設の複合化によって生み出された空間における施設職員の意識変容と子どもの行動変化を調査した. 東京都を中心として施設職員へのインタビューを13件行い,また実際に子どもたちが活動している状況を調査することで,世代間交流を実施するまでの計画プロセスをM-GTA分析によって明らかにした.インタビュー自体は事前に準備した5項目からなる質問項目に加え,インタビューの流れを見ながら収集すべきデータにつながる質問を適宜加えた半構造化インタビューである.インタビュー内容はすべて発話データとしてテキストデータに変換し,全発話データを詳細に調べることで,世代間交流を構築する児童福祉施設職員の動機と計画プロセス図を作成した. 分析結果からは,世代間交流を実施するためには,施設のみならず交流実施を支える環境整備が必要であることが明らかとなり,地方自治体や町内会といった施設周辺との連携による人的ネットワークを構築することが,世代間交流を実施する上で最重要課題であることが明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は,昨年度から継続している研究計画に沿って調査を行い,仮説モデルとの相違点や,現在多くの施設で課題となっている問題点を明らかにした.また,施設職員が無意識的に行っている行動をM-GTAを用いることで明らかにした. 上記の成果は,日本建築学会(大会)における発表のほか,他学会においても発表を行っている.以上の研究推進は,年度当初に想定した研究計画に沿って順調に進展していると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となる2023年度は,施設職員の動機からさらに踏み込んだ,意識変容に焦点を当て,さらなるインタビュー調査と実地調査を行う予定である.複合化によるメリットのみに焦点を当てた研究が多い中で,デメリットに着目し,改善点を導出することで今後の幼老複合施設への新しい知見を提供する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19による国際学会のオンライン開催に伴い,当初予定していた国際旅費関係の支出項目が大幅に減額した.また,国内調査や国内学会での発表の多くも,オンライン開催となり,旅費・宿泊費の使用が多くないため,当初の計画よりも次年度使用額が生じている. 2023年度は,今般の状況を踏まえ,実地調査が可能な施設等を早急に調べ,調査費用や備品購入を行う予定である.
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