研究課題/領域番号 |
19K15182
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研究機関 | 岐阜市立女子短期大学 |
研究代表者 |
臼井 直之 岐阜市立女子短期大学, その他部局等, 講師 (50790185)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 別荘地 / 別荘地管理 / 二拠点居住 |
研究実績の概要 |
今年度の実績としては主に、研究目的1.別荘地の立地や規模、建物数など基礎的な情報をデータベース化しその種類と特徴を明らかするために行った、次の作業の結果があげられる。 対象としている岐阜県郡上市、高山市、飛騨市へのヒアリング、文献調査、現地調査、国土地理院の基盤地図にて、対象とするエリアに存在する別荘地を見つけ出し、そのリスト化を行った。得られた情報は別荘地によってさまざまであったが、「所在地」「エリア面積」「開発販売についての年/記述」「区画数」「建物数」に着目した。そして、「エリア面積」が10ha以上または区画数が100区画以上の別荘地を21箇所抽出した。そのうち8箇所は高山市荘川町にあり、基盤地図における建物ポリゴンの合計は約1,000個であった。これは、同市同町の世帯数の約2.4倍にのぼる。また、7箇所は郡上市高鷲町にあり、基盤地図における建物ポリゴンの合計は約2,200個であった。これは、同市同町の世帯数の約2.0倍にのぼる。 また、現地調査を行う中で、調査対象としている別荘地のうちのひとつの管理会社と、良好な関係を築けた。別荘地は基本的に民有地であるため、調査に際しては管理会社の協力が必要となる。そのため、当初は複数の別荘地のデータベースを作ってから、重点的に調査する箇所を探ろうと考えていたが、データベースの作成と並行してその別荘地の複数回に及ぶ現地調査とヒアリングを行った。管理会社が年間を通してどのような事を行っているのかや、別荘地内の建物の工事を行う際の工事業者と管理会社との関係性についても知る機会を得た。対象としているエリアだけでも別荘地は複数あり、それぞれの管理の仕方も異なるため今回得た知見が全てとは言えないが、今後他の別荘地の管理の仕方を調べていく上での着眼点の整理ができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
対象地域の別荘地に関する基本的な情報が整っていないため、現地調査を行なってデータベースを作成し、その中から重点的に調査を行う対象を選定しようと考えていた。しかし、新型コロナ感染症の影響から現地調査を自粛せざるを得ない状況が続いた。また、同様の理由から図書館が閉鎖している期間もあったため、資料を入手するのにも時間がかかった。文献などを元にリスト化を行うことを試みたが、文献には載っていない別荘地がほとんどであり、文献で得られた情報にも限りがあった。そのため、電話等で管理会社に問い合わせて確認することも行なったが、情報のソースがばらばらになることにつながり、それらの整合性をとることにも時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
別荘地の立地や規模、建物数などの基礎的な情報をデータベース化し、その特徴から別荘地の分類を行う。また、対象とする別荘地は全て高度経済成長期以降に開発が始まったものである。そういった時代背景と地域の事情を整理する。さらに、土地や建物の所有者の所在地を調査し、その実態を把握する。それらを行うことで、中山間地域の持続性に関わる大規模な別荘地の実態を明らかにしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の影響による現地調査の自粛が主な原因である。2021年度には、これまで見送っていた箇所への調査を再開すること、また現地を確認した上で購入の決断をしようと考えていた登記簿などの資料の購入を考えている。一方で、研究全体としてはやや遅れている状況であり、また新型コロナ感染症の影響がどうなるかがわからないため、状況によっては研究期間を1年延長することも視野に入れている。
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