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2020 年度 実施状況報告書

大規模施設在館者のフールプルーフを考慮した避難誘導方法の検討

研究課題

研究課題/領域番号 19K15184
研究機関総務省消防庁消防大学校(消防研究センター)

研究代表者

藤井 皓介  総務省消防庁消防大学校(消防研究センター), その他部局等, その他 (10759575)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード避難誘導 / 空間行動 / 大規模施設 / 誘導灯
研究実績の概要

当初の研究計画に従い、避難者を想定した被験者群集を経路選択が必要となる実大規模の空間で行動させる避難行動実験の実施を検討したが、新型コロナウィルスの感染拡大および感染予防の観点から密集状態を回避することが求められることから、実空間における実験を見直す必要があった。このため、当該状況下でも可能となる実験方法として、バーチャルリアリティ(VR)空間における被験者実験を行うことを想定し、実験条件を検討した。
具体的には、誘導方法が経路選択行動に与える影響を把握するために、避難者を想定した被験者を経路選択が必要となる実大規模の空間で行動させる避難行動実験の内容について検討を行った。これまでの調査から、経路の分岐や開口部による進行方向、誘導方向、壁面と遮蔽物からなる空間形状の違いが誘導効果に影響を与える可能性があることが分かった。加えて、同様の経路であっても誘導灯の設置位置によっては視認性に差が生じるほか、避難者による誘導方向の認識に差が生じる可能性も考えられる。なお、誘導灯については、海外では国内では用いられていない表示内容が存在し、これにより設置方法や視認性に違いが生じることが想定されることから、表示内容も含めて検討する余地がある。以上に基づき実験条件を設定し、避難者を想定した被験者を空間内で行動させる避難行動実験を行うことで、経路選択行動に与える影響を把握し誘導効果を評価できることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の研究計画では、避難誘導効果を把握するための群集実験を行う予定であったが、新型コロナウィルスの感染拡大および感染予防の観点から密集状態を回避することが求められることから、実施を見送った。当初の研究計画に従った実験計画を検討したが、当該年度内に状況の収束ならびに改善の見通しが立たないことから、再度当該状況下でも可能となる実験方法の検討を行った。実空間上での実験が困難であることから、バーチャルリアリティ(VR)を用いて空間を再現し、当該空間内で被験者を行動させる形で実験を行うことを予定している。

今後の研究の推進方策

避難者を想定した被験者を経路選択が必要となる仮想空間で行動させる避難行動実験を行う。経路選択が必要となる空間をバーチャルリアリティ(VR)による仮想空間で作成し、当該空間における被験者の行動を記録、解析することで避難者の対応行動などを分析する。避難時間の違いおよびその発生要因、誘導方法ごとの経路選択行動および要因を明らかにすることで、避難誘導効果の差異を明らかにする。なお、VR空間の提示にはヘッドマウントディスプレイ(HMD)の使用を予定しており、安全対策として、使い捨ての保護シートによりHMDと被験者の直接の接触を避けるほか、HMD使用者が交代する場合にはアルコール消毒を行うことを予定している。また、これまでの調査より空間形状や遮蔽物により誘導灯の設置状況や視認状況に違いがあることなど、実験想定等に有用な情報が得られた。実験想定や分析の際に必要な情報に不足がある場合は、引き続き避難誘導について調査を行う。

次年度使用額が生じた理由

当初の研究計画において、本年度は大部分を群集実験に用いることを予定していたが、新型コロナウィルスの感染拡大に伴い実験の実施が見送られたほか、研究発表の開催も見送られたため旅費、交通費、物品費、謝金が計画よりも下回り残額が生じた。次年度は実験の実施を予定していることから、本年度生じた研究費の残額は実験データ取得のための物品費や人件費等に充てるとともに、避難誘導に関する調査に使用することを予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Influence of lit emergency signs and illuminated settings on walking speeds in smoky corridors2021

    • 著者名/発表者名
      Kosuke Fujii, Tomonori Sano, Yoshifumi Ohmiya
    • 学会等名
      13th International Symposium on Fire Safety Science
    • 国際学会

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公開日: 2021-12-27  

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