本研究は、現在の避難計画では想定されていない施設計画を考慮した避難誘導方法の検討を目的とした。大規模施設の避難時における人による誘導方法と誘導灯の設置方法の現状と課題を調査するとともに、実験に基づき誘導灯と人的誘導が経路選択行動に与える影響を実証的に把握した。その結果、大規模施設において誘導灯のみならず人的誘導が必要となること、誘導方法のほか進行先通路の幅や混雑状況が避難者の経路選択に影響を与えること、進行先の状況により経路選択が異なることを前提として避難誘導方法を検討する必要があること、経路状況と誘導方法両方の考慮が避難誘導による安全性確保において重要となることなどを明らかにした。
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