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本研究は、戦後沖縄米国統治期27年間（1945-1972）における先進建築技術の導入とその定着過程について明らかにすることを目的としている。対象とする先進技術は、米軍工事によって輸入された材料、施工、設計、制度等とし、これらを包括的に扱う。
研究初年度として、文献資料収集と分析を中心に進めた。また、今年度収集した資料の一部をまとめて、日本建築学会九州支部研究報告に1件（4頁）の梗概を投稿した。現在、琉球政府立博物館（旧沖縄県立博物館、1966年竣工）と琉球銀行本店（1966年竣工）の2つの建築物を対象とした調査研究が主に進行中である。
琉球政府立博物館に関する研究成果としては、沖縄県公文書館に所蔵された公文書及び当時の地元新聞記事、沖縄建設新聞記事、沖縄県立博物館発行の記念史等の文献収集を完了した。一部、沖縄県立博物館へ捜索依頼中の資料の収集が未完であるが、既に収集した資料の整理、考察は最終段階に入った。その為、査読付き論文誌への投稿に向けて原稿執筆を開始した。
琉球銀行本店に関する研究成果としては、琉球銀行発行の記念史、建設関係者による手記、当時の地元新聞記事、沖縄建設新聞記事等の文献収集を完了した。更に、これらの資料を整理、分析した研究報告として、日本建築学会九州支部研究報告に1件（4頁）の論文を投稿した。また、琉球銀行総務部の施設担当者と面談して意見交換、資料の保管状況を確認し、研究協力が得られることになった。当建物は2021年9月に解体されることが決定しており早急な調査が求められるところ、一定の成果が得られた。
その他、ワシントンD.C.にある米国国立公文書館を訪ねて、資料の閲覧方法と保管状況を確認した。沖縄県公文書館が収集した米軍政府関係資料では判読できなかった図面の詳細な記載を、米国国立公文書館所蔵の現物では判読できるものがあった。
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