研究課題/領域番号 |
19K15194
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
稲益 祐太 東海大学, 工学部, 准教授 (60832681)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 都市史 / テリトーリオ / マッセリア / 都市組織 / プーリア / イタリア |
研究実績の概要 |
三年目の令和3(2021)年度は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響を受けて渡航が困難となり、現地調査が実施できなかった。そのために、主に対象地域についての関連書籍の刊行を確認する作業を行った。 そのなかで、石造建築トゥルッリが田園地帯に多く点在するヴァッレ・ディトリア地域の中心都市であるマルティーナ・フランカは、14世紀に田園地帯での農業を促進するための住民の移住を推奨した時期に、田園地帯に農家が多く建てられるとともに、都市も拡大していったことを市壁の拡大や都市組織の変化から推察できた。また、都市内に農家住宅の原型と思われる切妻屋根の住宅の存在を確認できた。この形態は近隣都市ロコロトンドに見られる特徴的な農民の住宅形態であり、南イタリアでしばしば見られる農民の都市内居住を裏付ける建物であると考えられ、田園地帯と都市内の両面から農家住宅の特徴について分析できることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響を受けて渡航が困難となったことから、本研究において重要な位置を占める現地での実測などの現地調査を行えなかったため。また、イタリアで出版されている書籍については、国際郵便物の配達遅延や引受停止の処置があったため、文献収集においても十分に進めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
令和4(2022)度は、渡航制限が緩和されつつあり、イタリア入国も可能となる。そこで、ヴァッレ・ディトリア地域の農家建築の現地調査を行い、農家建築の形態の把握や敷地内での土地利用、そして地図史料との比較から土地区画の変化について分析を行っていく。 ただ、状況が変化して渡航が再び困難になる可能性も視野に入れて、引き続き文献収集を行って、文献の解読や史料の整理、データベース化を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度実施予定だった現地調査が、新型コロナウイルス感染症の流行の影響で渡航が困難となり、実施することができなかったため。
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