研究課題
近年、比較的小さい時間的および経済的なコストにより各種の宇宙ミッションを実現する小型の衛星の活用が活発化しており、より高度なミッションが多数検討されている。このような小型の衛星の高度化の1つの方向性として、適時に軌道を変化させる能力、即ち機動性の向上は重要である。このような背景の下、本研究では、デトネーション(爆轟)という燃焼現象を理解し、応用することによって、簡素なシステムと高い推進性能を両立した小型の2元推進剤ロケットエンジンシステムの実現に資することを目指している。本年度は、主として、これまでに構築してきた回転デトネーションエンジン用の高周波数応答熱放射光計測システムを用いて燃焼実験を行うとともに、計測システムの改良を行った。燃焼実験は、水素を燃料、酸素を酸化剤として、当量比1付近、流量帯としては30g/s付近を主たるターゲットとして実施した。計測するスペクトルは、近赤外領域のうち、水分子による吸収の少ない1500nmから1700nm程度の2波長を選択した。また、赤外線光源を用いた予備実験においては、計測システムの時間応答性等の特性が良好であることが確認できた。また付随して、デトネーションエンジン設計(特に小型向けで重要)に不可欠なデトネーションの構造特性長についても検討を行い、特にデトネーション回折に伴う構造特性長がもつ、各種の熱力学的・化学動力学的パラメーターに対する依存性の検討を実施した。
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