研究課題/領域番号 |
19K15214
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
尾崎 直哉 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 特任助教 (90836222)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | Uncertainty / 不確定性 / 最適制御 / 軌道最適化 / 確率制御 / ロバスト制御 / Trajectory Optimization / Stochastic Control |
研究実績の概要 |
今年度は,不確定性伝播を高速化するためにGPU計算環境の構築を行い,忠実度の高い不確定性伝播手法の実装を進めた.また,ロバストな軌道制御則を表現するためのサロゲートモデルの導入の検討を進めた.今後,忠実度の高い不確定性を含めたロバストな軌道設計則の実装を進める予定である.また,特にDESTINY+ミッションのスパイラル軌道上昇フェーズへの適用を進める予定である. 不確定性モデルの一般化を目指した初期検討を行った.特に,惑星周回ミッションにおいて重要である惑星軌道投入に焦点を当てて,ロバストな軌道投入則の一般化を目指した研究を遂行した.惑星軌道投入は,惑星探査ミッションにおいて,最もクリティカルなイベントの一つである.2010年に打ち上げられたあかつきミッション(JAXA)では,この惑星軌道投入に一度失敗しており,ミッション全体に大きな損失を与えてしまった.そこで,本研究では,このようなクリティカルなイベントに対してロバストな惑星軌道投入則の確立を目的とする.本研究の提案手法を用いると,万が一,惑星軌道投入に失敗してしまったとしても,比較的短時間に惑星と再会合することが可能となる.先行研究では自由帰還軌道を用いてロバスト性を高めていたのに対して,本研究では深宇宙軌道制御マヌーバを行うことを前提としたロバスト軌道投入則を提案した.このような拡張によって,より一般的な不確定性モデルを扱うことが可能となり,先行研究よりロバストで最適性の高い軌道が実現された.本研究成果は,当該分野で権威的であるアメリカ航空宇宙学会AIAAのJournal of Spacecraft and Rocketsに掲載採択されている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
忠実度の高い不確定性を含めたロバストな軌道制御則の実装に着手できておらず,やや遅れている状況である.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究としては,忠実度の高い不確定性伝播と表現能力の高いロバスト軌道制御則(サロゲートモデル)を用いて,Tube Stochastic Optimal Controlを拡張することを考えている.まず第一段階としては,二段確率計画問題などの計算コストの低い問題に適用することで,理論検証を行うことを目指す.その上で,JAXAが現在検討中のDESTINY+ミッションのスパイラル軌道上昇フェーズへの適用を進める予定である.
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