| 研究課題/領域番号 |
19K15217
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| 研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
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研究代表者 |
庄司 烈 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 航空技術部門, 研究開発員 (20833172)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 燃焼振動 / 希薄予混合燃焼 / 遷移現象 / 水素火炎 / メタン火炎 / 光学計測 / モード解析 / 環状燃焼器 |
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| 研究実績の概要 |
令和２年度に得られた成果は大きく分けて以下の二項目である。
（１）昨年度成果の外部発表（弱旋回燃焼器における希薄予混合水素火炎の光学計測試験）
昨年度発見した燃焼振動時における新しい火炎と流れ場の挙動に関する査読論文が、国際的に権威あるジャーナル（Proceedings of the Combustion Institute）に受理された。また、国際燃焼学会での成果発表を終えた。今年度発表予定であった学会発表1件についてはコロナ禍の影響で令和３年度に延期になった。
（２）小型環状燃焼器の設計・製作
昨年度実施した一次元熱音響解析をもとに、小型環状燃焼器の設計・製作を完了した。これにより、大気圧下における小型環状燃焼器を使用した燃焼試験という、世界的に例が少ない研究環境を確保した。基本構造としては、外壁内径250mm、内壁外径140mm、12個の出口径30mmの弱旋回予混合気インジェクタを等間隔に備えている。圧力センサーは周方向と半径方向に複数設置可能であり、周方向・半径方向モードの燃焼振動を同時に捉えることが可能である。特徴的な点としては、本小型環状燃焼器は内壁と外壁の高さを調整できる機構を設計に取り入れた。これにより、１つの供試体で複数の異なる燃焼振動のモードを研究できる可能性を確保した。こうした機構を持つ小型環状燃焼器は世界的に前例がなく、その点において優位性を確保することに成功した。また、令和３年度に実施予定の燃焼試験に向けて、昨年度から検討してた実験体制やシステムを更にブラッシュアップし、迅速に燃焼試験を実施できる体制を整備した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度得られた成果を国際ジャーナル及び国際学会で発表した（研究実績の概要（１）に対応）。この点においては、計画通り順調に進展している。小型環状燃焼器に係る計画に関しては、コロナ禍の影響により、予定していた燃焼試験の実施まで至らなかったしかしながら、昨年度得られた熱音響解析結果を元に、世界的に前例のない機構を有する試験供試体を設計・製作できた。（研究実績の概要（２）に対応）。これにより令和３年度以降、当初計画より一層新規性の高い研究を実施できる可能性が広がった。また、実験体制やシステムの昨年度からのアップデートにより、令和３年度ただちに実験を実施する体制を構築できた。以上より、コロナ禍による当初予定からの遅れは多少見られるものの、概ね順調に進展していると考えられる。
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| 今後の研究の推進方策 |
コロナ禍による当初計画からの遅れをリカバリーするよう、粛々と研究を進める。まず、令和２年度に実施予定であった燃焼試験を迅速に実施する。試験内容としては、周方向に複数設置する圧力センサーと、高速度カメラとイメージインテンシファイアを使用した、圧力変動とOH*自発光画像の同時計測試験である。これにより、周方向モードの燃焼振動の周波数や振動周波数における圧力振幅、火炎からの発熱率変動等を捉え、燃焼振動発生時における熱音響カップリングの特性や火炎の挙動を調査する。また、隣接する２つの予混合気インジェクタ周辺での流速場をPIVにより計測することで、火炎同士の干渉を調査し、燃焼振動発生メカニズムとの関連性を分析する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
令和２年度内に予定されていた国際学会がコロナ禍のためオンライン開催となった。そのため、その旅費分が次年度使用額となった。本使用額については、参加予定の国際学会が対面で開催される場合には旅費にて、オンライン開催となった場合は消耗品等の別用途にて、令和３年度に執行する予定である。
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