研究課題/領域番号 |
19K15221
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研究機関 | 豊田工業高等専門学校 |
研究代表者 |
都築 啓太 豊田工業高等専門学校, 情報工学科, 准教授 (40713045)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 超伝導 / ワイヤ / テープ / 界磁極 / 強磁場 / 積層 / 着磁 / 低温 |
研究実績の概要 |
平成31年度に実施した研究成果は大きく分けて、超電導ワイヤ積層型界磁極の小型サンプルの作成に関するデータ収集のための準備、および、ハイブリット電機子における着磁構造についての検証である。 1.小型界磁極サンプルの試作:超伝導線材を調達し、超伝導ワイヤ積層型界磁磁石の試作を行った。市販のワイヤを複数重ねることにより構築したサンプルを作成し、界磁表面が超電導テープで覆われた超伝導ワイヤ積層型界磁磁石の小型模擬モデルを形成した。積層方法として、界磁極に巻きつけながら形成することを想定し本模擬モデルに適する手法を選定した。 2.ハイブリットコイル形状検討:15 kW級の超伝導回転機に関する電磁解析と、直流電流の印加による実証を行った。新規に考案したハイブリッド電機子を用いた電磁解析ソフトMagNet7を調達して基本的な設計を完了した。電磁解析上でラジアルギャップ型の大型船舶推進動力に適用できるように着磁コイルを配置した。ビスマス系の素線を申請者グループで巻き線して構築した。 3.着磁試験の実施:界磁試作をふまえて着磁試験を実施した。本課題で必要な支持部材を調達して、研究環境を整備した。着磁法の一種であるフィールドクーリング法にて液体窒素温度下において着磁を行った。小型サンプルとネオジムマグネットによる着磁で磁束密度とその分布を得ることができた。その際の冷却部材や強磁場に耐えうるための支持構造等を研究室内で設計し、研究経費にて調達した。 上記の研究実績から得られた成果について研究協力者とともに第10回アジア応用超電導・低温工学会議にて成果報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成31年度に実施した研究成果は大きく分けて、小型サンプルの作成とデータ収集のための準備・整理、ハイブリット電機子における着磁構造についての検証である。 1.計画通り、超伝導線材を調達し、超伝導ワイヤ積層型界磁磁石の試作を行った。前述の積層サンプルについて機械加工等を用いて作成し、界磁表面が超電導テープで覆われた超伝導ワイヤ積層型界磁磁石の小型模擬モデルをBi系およびY系の線材を用いて形成を行った。 2.計画通り、試作機に向けた電磁解析を行い、新たな着磁コイルのモデルを構築した。ハイブリッド電機子を用いた15 kW級の超伝導回転機の設計のために、電磁解析ソフトMagNet7を調達して基本的な設計を完了した。試作巻線を用いた液体窒素温度下での評価試験を完了した。得られた成果については、1月に開催された国際学会にて報告した。 3.おおむね計画通り、試作機に向けた界磁試作と極低温での着磁試験を実施した。着磁法の一種であるフィールドクーリング法にて液体窒素温度下において着磁を行い、磁束密度とその分布を得ることができた。その際の冷却部材や強磁場に耐えうるための支持構造等を研究室内で設計し、研究経費にて調達した。極低温での着磁については、冷却のための機器の整備を完了している。着磁機構については令和2年度以降の課題である。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度の研究の推進方策としては以下の2点に大別される。線材の仕様変更による小型サンプルの捕捉磁束密度向上と、極低温下における着磁試験のための準備および実証実験の推進にある。新型コロナウイルスにより研究協力メンバーによる研究継続が困難な事態となっているが、今年度蓄積した成果とデータ収集のためのシステムについて更なる改良を重ね、研究再開ができるタイミングでスムーズに実証実験に移れるように目的を達成したい。 具体的には、ラジアル型小型回転機を用いた超伝導積層ワイヤ界磁への着磁について、選定した手法により実サンプルを作成し、着磁装置を用いて検証を行う計画である。界磁厚みや巻線構成を決定したモデルに習い、電磁鋼板や強磁性材料をコアとして積層ワイヤ界磁を形成する。 極低温での小型界磁極サンプルの着磁試験についてはクライオスタットおよび極低温冷凍機を用いた試験の準備を継続する。 電磁解析を用いたモータ設計については、実験結果を踏まえて推進動力応用を見据え、実証機に必要な界磁厚みや構成を決定する。また応力解析ソフトを活用した連成解析の実施についても検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験に使用した液体窒素の納入が年度をまたぐ結果となったため、残金が発生した。 4月の初旬に納入しており、すでに残金分については消化されている。
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