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2020 年度 実施状況報告書

浮体式波力発電装置の実時間最適制御法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K15223
研究機関国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所

研究代表者

谷口 友基  国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (80586678)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード波力発電装置 / 非線形モデル予測制御 / 実時間制御
研究実績の概要

浮体式ポイントアブソーバー型波力発電装置(以下,FPAWEC)に適用可能な非線形モデル予測制御(以下,NMPC)を開発するため,今年度は小型PTO模型を搭載した陸上試験機の試験結果に基づく査読付論文発表を行うと伴に,小型PTO模型を搭載したFPAWEC模型を製作した.また,FPAWEC模型スパー部を外系と完全拘束することでフロート部の上下運動のみを対象とした1自由度系での水槽試験,並びにFPAWEC模型スパー部を前後方向に係留した多自由度系での水槽試験の両方を実施した.さらに,1自由度系での水槽試験結果に基づく査読付論文を投稿し現在査読中である.1自由度系での水槽試験結果から,本研究課題でFPAWECに導入したNMPCに関して以下の知見を得た.
本研究課題のNMPCは,水槽模型に実装した状態で,試行した全ての規則波及び不規則波条件において制御周期50 msの実時間制御を実現し,その発電性能は規則波及び不規則波条件において,既存の制御法の1つであるACL制御と同程度となった.
NMPCは,推力制約を厳しく設定しても試行した全ての規則波及び不規則波条件で安定した制御を実現し,かつ発電性能は抵抗制御よりも優位となった.
NMPCの内部モデルに用いた粘性減衰力係数の推定誤差に対する感度解析の結果,NMPCはACLよりも粘性減衰力係数の推定誤差の影響を受けやすいことが分かった.
NMPCの内部モデルに入力する外力推定誤差に対する感度解析の結果,NMPCは外力推定誤差の増加に伴い発電電力が低下する傾向が見られた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

他自由度系WECのモデル化に対して,既存の手法ではNMPCを構成する際の状態変数が多く,実時間制御が困難となることが机上検討により判明した.そこで,多自由度系に適したKane型運動方程式を導入することとし,1年目に予定していたa)シミュレータ開発はKane型運動方程式によるFPAWECのモデル化も含めて3年目前半に行う.
3年目に予定していたFPAWEC模型による水槽試験の一部を2年目中に完了したことから,全体的には(2)おおむね順調に進展していると判断している.

今後の研究の推進方策

今年度は,Kane型運動方程式によるFPAWECのモデル化に関する査読付論文発表を行うと伴に,FPAWECの水槽試験によるNMPCの総合試験を行う.また,総合試験結果を基にした査読付論文発表も検討する.

次年度使用額が生じた理由

今年度に参加を予定していた国際学会が中止となり,旅費分を物品費に振り替えたため残額が生じた.翌年度にも水槽試験を予定しており,水槽試験に向けた消耗品購入費,研究資料購入費,論文掲載料等として予算を執行する予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Development of an Onshore BenchTest System for a Wave Energy Converter and Verification of a Real-Time OptimalControl2021

    • 著者名/発表者名
      Taniguchi Tomoki、Fujiwara Toshifumi、Umeda Jun、Nimura Tadashi、Katayama Toru
    • 雑誌名

      Journal of the Japan Society of Naval Architects and Ocean Engineers

      巻: 32 ページ: 99~108

    • DOI

      10.2534/jjasnaoe.32.99

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-12-27  

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