日本近海は欧米に比べて波パワーが小さい.また,遠浅の海域も少なく,海洋再生エネルギーを効率よく取得するには,沖合に展開可能な浮体式施設の活用が望ましい. 本研究では,先行研究では1自由度系PAWECへの適用に留まっていたNMPCをFPAWECに適用し,水槽試験にて制御周期50 msでの実時間制御を確認すると伴に,他の制御法を実装した場合と運動性能及び発電性能を比較した.2浮体系となるFPAWECにもNMPCの様な制約条件付最適化手法が適用可能であることを実験的に示した点は学術的意義がある.また,本研究成果は,沖合利用可能で高効率な浮体式波力発電施設の開発に資するため,社会的意義もあると思われる.
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