研究課題/領域番号 |
19K15226
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
馬 沖 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (30773197)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 両方向連成解析 / スロッシング / スワリング / 粒子法 / 3次元パネル法 |
研究実績の概要 |
1.改良されたタンク内粒子法流体解析モデルの検証と結果のまとめ Dummy Particle ConditionとSmoothed-Boundary Modelの導入により改良されたタンク内粒子法流体解析モデルの有効性を検証した。模型実験によって得られたタンク内流体荷重及び複数場所の局部水圧の時系列データとの比較により、改良モデルの予測精度を向上することを確認できた。また、Particle-Shiftの手法はタンク内流体荷重と局部水圧に及ぼす影響を調べた。 2.不規則波中粒子法と3次元パネル法の連成Hybridモデルの作成 タンク内非線形スロッシング・スワリングが、波浪中6自由度船体運動に与える影響を明らかにすることを本研究の目的とする。非線形スロッシング・スワリング荷重を解けるため、CFD手法は適切であるが、船体運動を計算するには、船体周りの広い領域で粒子・格子を作る必要があり、計算時間は課題になる。この課題を克服するため、本研究では時間領域のポテンシャル法とCFDを組み合わせたHybrid手法を提案した。2020年度は、Hybrid手法開発のPhase2として、波メモリー影響を配慮した上、不規則波中の3次元パネル法-粒子法両方向連成Hybrid解析プログラムを開発した。開発した連成プログラムを用い、不規則波中非線形スロッシング・スワリング荷重を調べ、タンク内荷重が船舶運動に及ぼす非線形影響を確認できた。 3.研究情報収集。他の研究者らは実施した液体タンクを搭載したLNG船模型実験に関する情報を収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画通り、昨年度改良した解析モデルの検証を実施した。スロッシング模型実験結果との比較を通じて改良した数値モデルの有効性を確認できた。得られた成果をJournal(1本)と国際学会Proceddings(1本)投稿し、国際学会(1回)で発表した。 さらに、本研究の最終目的のPhase2として、不規則波中粒子法と3次元パネル法の連成Hybridモデルを作成できた。 コロナ影響により大規模な実験は難しくなってしまい、実験の進捗がやや遅れているが、より小規模な実験を検討している。また、他の研究者らと連携し、以前実施した液体タンクを搭載したLNG船模型実験データを引用しつつ、本研究で開発したツールを検証することも検討している。
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今後の研究の推進方策 |
1.粒子法に関する最新理論を引き続き調査し、本研究での粒子法モデルを改良する。 2.模型実験により、本研究で開発したHybrid手法の予測精度を検証する。 3.高速大規模並列数値シミュレーションを実現するため、高性能GPGPUサーバーを構築する。 4.線形ポテンシャル理論に基づく手法とHybrid手法の計算結果により、二つ手法の使用方策を検討する。 5.本研究課題に関して、様々な成果が得られているので、ジャーナルや国際会議を中心として、成果を発表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
模型作成費用、実験計測設備費用、GPGPU計算機構築費用と研究成果発表費用等に使用する計画である。
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