研究課題/領域番号 |
19K15227
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
渡邊 充史 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (20713788)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 係留 / 模型試験 / リアルタイムハイブリッドシミュレーション |
研究実績の概要 |
今年度は、係留ラインの選定・ライン数値計算モデル作成を実施した。今年度の基金は、主に上記の研究を遂行するためのモデル作成トレーニングに当てられた。 1. 係留ラインの選定について、先行研究を参考にしながら、研究代表者の所属する機関で再現可能なカテナリー係留ラインを選定した。係留ライン全体は、研究代表者の所属する機関にて保有する深海水槽(最大水深35m)にて再現する。同水槽は直径が6m(ピット部)と小さいため、ライン長は長く設定する事が出来たが、展張幅を大きく設定するのは困難であった。同時に、ライン挙動計測用3次元挙動計測カメラの計測範囲についても考慮し、同幅を約3.6mと設定した。チェーン重量等については、ライン上端点に発生する張力が既存の分力計の計測範囲内に収まるように、選定を行い線径5.0mm、線重量430g/mの市販ステンレスチェーンを使用する事とした。 2. ライン数値計算モデルの作成では、係留ラインの挙動計算にて一般的に用いられる、ランプドマス法を使用した。数値計算上での成立性を検証するために初めにFull lengthモデルの計算を実施した。同計算では、まず静的計算モデルを作成し、カテナリー理論にて計算した上端張力・ライン形状と比較し良好な一致を確認した。次に動的計算モデルの計算を実施した。同計算では計算途中にて発散する事象が発生した。同事象は別の計算プログラムでは発生しなかった。このため、来年度はこの問題について参考文献の追加取集及び研究協力者からの助言等を基に解決し、数値計算上での成立性の検証、模型試験での成立性の検証と進めて行く予定である。 また、今年度はリアルタイムシミュレーションモデル作成能力向上のためにモデル構築トレーニングに参加した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度はCut-Off ラインの数値計算モデル作成・Truncatedラインの数値計算モデルの作成・数値計算上での成立性の検証を実施する予定であったが、Cut-Off ラインのモデル作成の前段階として実施したFull lengthモデルの動的計算時に計算途中で発散する事象が生じた。同事象は別の計算プログラムでは発生しなかった。このため、同事象の発生原因の究明を行い、当初の予定よりもやや遅れてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
来年度はこの発散問題について参考文献の追加取集及び研究協力者からの助言等を基に解決し、数値計算上での成立性の検証、模型試験での成立性の検証と進めて行く予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
1.次年度使用額が生じた理由 Full lengthラインモデル数値計算時に発生したトラブルの原因を究明するため、当初予定していた次年度模型試験の仕様検討が実行出来なかった。このため物品費が使用出来なかった。また、当初遠隔地で開催が予定されていたソフトウェアトレーニングが近隣で開催されたため、旅費を使用しなかった。 2.使用計画 次年度は今年度の繰り越し額を物品費・その他に充て、模型試験の仕様検討、製作等に使用する予定である。
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