研究課題/領域番号 |
19K15231
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
丹羽 康之 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (50344239)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 船舶 / レーダー / AIS / スマートフォン / 位置情報 |
研究実績の概要 |
本研究では,小型船に搭載したAIS(船舶自動識別装置)による位置情報,レーダー捕捉による小型船の位置情報,小型船に搭載したスマートフォンの位置情報を集約・統合し,同一船か否かの判断を行う方法を検討する. 令和2年度の研究においては,前年度までに構築した以下のデータ記録環境を利用して,AISデータとレーダー捕捉データ蓄積をする予定であった.データ記録の1局目として,瀬戸内海の山口県と愛媛県間を運航する実運航フェリーでのAISデータとレーダー捕捉データを記録する.データ記録の2局目として,大島商船高等専門学校の屋上に設置してあるレーダーとAIS受信機により,実運航フェリー同様に周辺海域のAISデータとレーダー捕捉データを記録する.そして,記録したデータを基に,AISデータとレーダー捕捉データの位置偏差がどの程度かの分析を行うこととしていた.しかしながら,新型コロナウイルスの感染拡大により,データ記録の1局目である実運航フェリーに乗船したデータ記録を行うことができなかった.そのため,データ記録の2局目である大島商船高等専門学校のAIS受信機とレーダー局のみを利用した周辺海域のデータ記録にとどまった. もう一つ比較するデータとして,スマートフォンの位置情報を記録するシステムも用意しているが,スマートフォンを同校の小型練習船に搭載させ位置情報を記録する実験を計画していたが,こちらも新型コロナウイルスの感染拡大により,実験を行うことができなかった. 以上の通り,今年度は,大島商船高等専門学校の屋上レーダーとAIS受信機により,周辺海域の船舶の記録にとどまったが,周辺海域には小型船用のClass B AIS(情報更新間隔が30秒おき)を搭載した小型船舶を確認し,同船のAIS情報と屋上レーダーによるレーダー捕捉情報を記録することができ,今後の基礎となるデータを蓄積することができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験データ記録環境として,実運航フェリーと陸上局の2局により,レーダー捕捉データとAISデータを記録する体制を構築済みである.また,スマートフォンの位置情報を記録するソフトウェアの動作確認を行うことができており,基本データを記録できる体制は整っている.一方,今年度は,新型コロナウイルスの影響により,実運航フェリーに乗船した実験を行うことができず,データ量が不十分として,やや遅れている状況となっている.
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今後の研究の推進方策 |
基本データとして,レーダー捕捉データとAISデータ,ならびに,スマートフォンによる位置データ等を記録するシステムが構築されているので,新型コロナウイルスの影響の問題が解決され次第,実船実験等により,データの蓄積を行い,同一船舶である場合のそれぞれの位置,速力,進路等の偏差がどの程度であるか分析を進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの影響で,計画していた実運航フェリーに乗船したデータ取得のための出張ができず,特に旅費の支出額に影響が出た.次年度は、新型コロナウイルスの問題が解決され次第,乗船実験を行う計画としている.
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