研究課題/領域番号 |
19K15237
|
研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
中嶋 良介 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 助教 (70781516)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 目視検査 / 外観検査 / 作業設計 / 作業訓練 / 作業管理 |
研究実績の概要 |
本研究では、微小な欠点の検出が求められる目視検査を対象として、検査対象と検査環境、検査者の3つの観点から整理し、高い検査精度と検査効率を実現するための要件を解明する(分析的アプローチ)。そして、人間の視覚特性に合わせて検査環境と検査方法を設計・訓練するシステムを開発するとともに(設計的アプローチ)、それらの作業を管理するシステムを構築することを目的としている。さらに、構築したシステムを実際の目視検査工程に適用し、その有効性を検証することを目指している。 本年度は、昨年度に開発した欠点の視認性を定量的に評価するための測定システムを用いて、実際の生産現場でその有用性を検証した。また、これまでの研究で得られた実験結果と本年度実施した被験者実験の実験結果を集約してデータベースとし、検出すべき欠点の特徴に合わせて検査精度と検査効率を両立する検査方法を設計する方法の手順化とシステム化を進めた。 これらの検討の結果、多くの目視検査工程で対象とする製品に対して、検査環境や検査方法、訓練方法、管理方法のあり方を示すことができた。さらに、目視検査を実施する製造業の協力を得て、これまでの研究で得られた方法論に基づいて検査環境と検査方法を設計し、その有用性を検証した。その結果、これまでは生産現場で検出が困難とされていた欠点であっても比較的容易に検出できるようになり、検査精度を向上させる効果があることが確認された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究室における実験と実際の生産現場での検証を並行し、検査環境と検査環境を設計する方法論も確立しつつあり、おおむね順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
来年度は今年度までに構築した作業設計の方法論に基づいて、作業者への訓練システムと管理システムの構築と検証を進める予定である。そして、得られた個別の知見を一般化し、より多くの目視検査工程に適用するための方法論へと深化させる予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響により、ほとんどの研究発表がオンライン開催になったため旅費として予定していた経費に未使用額が生じた。この未使用額については、次年度の研究発表の経費に充てる予定である。
|