| 研究課題/領域番号 |
19K15238
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| 研究機関 | 金沢大学 |
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研究代表者 |
翁 ウェイ 金沢大学, GS教育系, 准教授 (80631522)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | リアルタイム生産最適化 / スマートインダストリー / インテリジェント生産システム / 生産スケジューリング |
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| 研究実績の概要 |
本研究は、大規模な生産スケジューリング問題をリアルタイムに解決するインテリジェント生産制御システムを開発する。
本年度は、北九州市にある工場の実際のプロセスを対象にリアルタイムのジャストインタイム・スケジューリングシステムを提案し、工場のデータを用いてシミュレーションを行った。提案方法は、研究計画の通り、大規模なスケジューリング問題を数段階に分けられた複数個の小さな問題に変換し、各段階の小さな問題をリアルタイムに解決する方法である。具体的に、まずは後工場の生産能力に合わせて各ジョブの納期を設定し、次は各ジョブを納期までに完成できることを前提に作業員の人数を最小化し、最後は各ジョブをちょうど納期の直前に完成できるように作業員を配置する。このような複数段階に分けられた方法は、多くのジョブをいずれもちょうど後工場のジョブ処理開始可能時刻に完成することを目指して一括で最適化する方法より有効性が高く計算時間もずいぶん少ない。そのため、超大規模なジャストインタイム・スケジューリング問題でもリアルタイムに解決することができる。
工場のデータを用いてシミュレーションした結果によると、遺伝的アルゴリズムを始めとする既存方法の百分の一もない時間で既存方法が得られる解より倍以上良い解を得られることが分かった。さらに、工場の問題と似ているような問題集を生成して検証を行った結果、類似問題にも対応可能であり有効性も高いことが分かった。今後、工場の生産現場での検証や実用化を目指して研究活動を進めていきたい。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初は、二年目に本研究の離散型スケジューリング方法を設計し、三年目に検証を行うことを予定していた。今は、二年目に離散型スケジューリング方法を工場の実際のプロセスを対象に設計し、その有効性を検証した。すなわち、提案方法の通用的な設計と検証を分けてそれぞれ二年目と三年目に行う代わりに、実際のケースバイケースの設計と検証を一つのケースを対象に一年に行った。来年度は、本年度のケース以外の問題にも対応可能な設計と検証をする予定である。全体のスケジュールとしては、大体予定の通り二年目と三年目は提案方法の設計と検証を行う。
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| 今後の研究の推進方策 |
来年度に、本年度の研究成果の発信・実用化および拡張を予定している。
本年度の研究成果を学会と学術誌で発表することを予定している。また、これまでの成果を検証することや生かすことができる工場や企業と連携して生産現場での検証を行い、提案方法の改善と実用化を目指す。工場や企業に本研究に近い問題があれば、本研究の拡張や将来の課題として積極的に取り込んでいく。
実問題以外、理論研究への貢献として本年度の研究対象であったケース以外の一般的な生産プロセスにも対応可能な提案方法の設計と検証を予定している。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスのため、旅費として予定していた費用を使い切ることができなかった。海外で開催された国際会議への参加はオンライン参加に切り替え、海外の共同研究機関である中国上海交通大学への訪問もやむを得ず中止した。また、国内の緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置などの影響で、国内での出張や移動なども厳しく制限されており、工場での調査や国内の共同研究者との対面打ち合わせなども減らした。
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