研究課題/領域番号 |
19K15240
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
杉之内 将大 青山学院大学, 理工学部, 助教 (60824860)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | オークション / 生産システム / スケジューリング / Scheduling Auction / クラウドマニュファクチャリング / メカニズムデザイン |
研究実績の概要 |
本研究課題では,オークション型のスケジューリング手法Scheduling Auctionを提案する. 一般的なオークションでは,社会的余剰の最大化を目指し,入札者の行う入札を用いてオークションにかけられた財の配分を決定する.それに対し提案手法では,生産者の生産能力や資源に上限がある中でどのような財をいくつ準備するかと,それらの財の配分を同時に決定する.顧客の嗜好を入札として顧客自身に表現させ,複数の顧客からの入札をもとにどのような財をオークションにかけるかを入札をもとに決めることで,財そのものの価値を最大化することを目指す.例えば,ある製品の購入を希望する顧客が,自身が求める製品と納期の組合せに対して入札した場合,「指定された納期内に納品される製品」が財にあたる. 本年度は,オークションにより得た利益を,財の生産に関わった主体へ公平に配分するための手法を提案した.また,提案手法の応用として,(1)クラウドマニュファクチャリング,(2)演劇産業を対象にコンピュータエージェントを用いた計算機実験を行った.それにより,顧客の数など問題の規模が計算時間に与える影響及び,顧客の嗜好が立案される計画および財の配分に与える影響を明らかにした. 提案手法の有効性を評価するために,コンピュータエージェントを用いた実験だけでなく,シリアスゲームを用いた被験者実験を行う予定である.ただし,本年度は被験者実験の準備に時間を要したため,翌年度に繰り越して継続して実施する予定である.最終年度では,学会等での発表による研究者との議論を通じて,研究の総括を行う予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
シリアスゲームによる被験者実験を実施するにあたっての,事前準備および実験デザインに時間を要しているため.
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今後の研究の推進方策 |
シリアスゲームを用いた被験者実験を実施し,提案手法の有効性および,提案手法により立案される計画を評価する.併せて,2019年度,2020年度に提案した手法は問題規模の増加に対し計算時間が指数的に増加するという課題点があったため,大規模な問題に対して適用可能な手法の提案を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの影響で,参加予定の学会が中止またはオンライン開催となり旅費が不要となったため.また,シリアスゲームを用いた被験者実験の事前準備に時間を要しているため. 本年は,被験者実験を行うための複数台の計算機及び,大規模な計算を行うための計算機の購入を予定している.
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