研究実績の概要 |
(1) 錐最適化問題は線形最適化問題の拡張の 1 つであり, オペレーションズ・リサーチや機械学習などで用いられる. 本研究では, 線形最適化問題に対する解法の 1 つである LP-Newton 法を錐最適化問題に拡張し, 適応的 LP-Newton 法を提案し, その収束解析および実験的解析を行なった. (2) ニューラルネットワークの学習問題は非凸最適化問題だが, 勾配法を用いて優れた解を計算することができる. このような深層ニューラルネットワークの学習が成功する理由を解明するために, 過剰パラメータ状況下でのニューラルネットワークの学習問題における停留点の性質を部分的に明らかにした. (3) 非凸最適化のうち, 特に実用的によく用いられる DC 最適化について先行研究の精査を行ない, サーベイ論文を執筆した. (4) スパース最適化アルゴリズムの研究を進め, アルゴリズム内部で用いられる近接写像の効率のよい計算をスパース制御問題に応用し, その収束解析および実験的解析を行なった.
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今後の研究の推進方策 |
(1) 多様体上の交互射影アルゴリズムについて研究を進め, 画像処理等への応用を目指す. (2) 過剰パラメータ状況下でのニューラルネットワークの学習問題における停留点の性質を議論したが, 関数の滑らかさを仮定して行なった証明があるため, 非平滑最適化の理論を用いてこの仮定を取り除くことを目指す. (3) スパース制御問題に対する効率のよいアルゴリズムを開発し, 性能のよさに関する理論的な保証を与える.
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