研究課題/領域番号 |
19K15248
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研究機関 | 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター) |
研究代表者 |
横山 真弘 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター), 能力開発院, 助教 (40735354)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 部品構成表 / 構成マスタの作成 / 多仕様製品 / 仕様変更の発生 |
研究実績の概要 |
2019年9月に国際会議「4th International Conference on Production Management 2019」にて、「A Study of the influence Factors in the Work of BOM Creation」の口頭発表を行った。こちらの発表では、部品構成表(BOM)の構成マスタの階層構造の把握に対する識別補助の提案を行った。具体的には、仕様変更が発生した際の部品構成表の構成マスタ作成作業に対して、階層構造の把握には色彩による補助を行い、仕様変更の発生箇所の把握にはハイライトによる補助を行うものである。そして、実験により提案方法の効果を明らかにした。この発表内容は高い評価をいただき、日本生産管理学会より「CERTIFICATE OF EXCELLENT PAPER賞」を受けた。 さらに、2019年11月には、「PTUフォーラム2019(職業能力開発総合大学校)」にて、「仕様変更に伴う部品表作成作業に関する効果的な学習教材の検討」の口頭発表を行った。こちらの発表では、部品構成表の構成マスタ作成に関する教材を発表した。従来教材では詳細な作成手順が考慮されていなかった点に着目し、正確な作成手順を考慮に入れた新しい教材を提案した。 そして、2020年1月には、国際会議「The Hawaii International Conference on Education 2020」にて、「DEVELOPMENT OF FUNDAMENTAL TEACHING MATERIALS FOR CREATING A BILL OF MATERIALS」の発表を行った。ここでは、この一連の研究成果を通じて、部品構成表の構成マスタ作成に関する教材の評価を明らかにし、その内容を海外にも広く公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は、構成マスタの作成における認知処理の構造把握に取り組んだ。本研究では、評価用の部品構成表(BOM)の構成マスタのデータを作成し、被験者により構成マスタ作成の実験を行った。それにより、構成マスタ作成の各作業において作業者がどのような認知処理を行っているのかを、構成マスタ作成の実験を通じて明らかにすることができた。そこから、作業で求められる認知処理の内容からミス発生のリスクの顕在化を行うことができた。 さらに、実際に作成作業やミスの発生を観察することによってデータを収集し、分析を行うことにより、部品表の階層構造の把握に対する識別補助に対して提案手法の効果を明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度以降では、ミス発生のリスクと製品構成との関係の解明、さらなる対策の立案に取り組む。特に近年はAI活用の要望が特に強まっている。そこで、構成マスタの作成における人的なミス発生の低減のためのAIの導入を本年度から目指す。そのため、AI やRPAが効率的に対応可能となる作業内容を切り分け、どのようなデータを用いて、どのような分類・予測を行うのかを明確にする。それにより、ミス発生の低減に対し、より効果の高い対策の提案を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
発生した次年度使用額(8,648円)については,次年度のデータ分析用のPC購入に使用する。
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