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2021 年度 実施状況報告書

災害レジリエンス向上の定量評価と震災復旧戦略検討システムへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 19K15264
研究機関香川大学

研究代表者

高橋 亨輔  香川大学, 創造工学部, 准教授 (60647262)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードレジリエンス / 最適化 / 道路ネットワーク / 合意形成 / 地震
研究実績の概要

本研究では,研究代表者が開発する震災時の道路ネットワーク復旧計画策定手法に,災害レジリエンス向上モデルを導入した,震災復旧戦略検討システムの開発および運用を目指している.
2021年度は,震災復旧戦略検討システムの開発と,市町レベルの道路ネットワークを対象とした分析事例の作成を予定していた.このうち,後者の分析事例の作成は概ね完了できた.
具体的には,分析対象とした香川県内の市町レベルの道路ネットワークを対象に,道路被害の回復のみを考慮した復旧優先順位や,道路被害の回復と避難所への物資搬送の両方を考慮した復旧優先順位など,いくつかの震災復旧戦略事例を作成した.作成した事例では,道路の復旧優先順位を定めた県レベルの既存計画(香川県道路啓開計画)が有効に機能するために,市町村域の道路の復旧優先順位の具体化が必要であることを示した.
また,この際,異なる復旧戦略を評価するため,道路ネットワーク復旧計画策定手法の単目的最適化から多目的最適化への改良も検討した.従来の計画策定手法では,道路の重みづけを変化させて復旧戦略の違いを評価していた.多目的最適化による計画策定手法では,個々の復旧戦略を目的として評価する.本研究では,道路被害の回復および,物資搬送拠点と避難所間の接続性を例題に検討した.ただし,多目的最適化への改良は実施できたが,策定した計画からどの計画を選択するかという意思決定支援が課題として残っている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2021年度は,震災復旧戦略検討システムの開発と,市町レベルの道路ネットワークを対象とした分析事例の作成を予定していた.このうち,後者の分析事例の作成は概ね完了できた.一方,分析事例の作成の遅れやその他業務の関係から,最終的な成果物である震災復旧戦略検討システムの開発が遅れている.このため,システムの開発と研究のとりまとめを実施するために,補助事業期間を1年延長することにした.

今後の研究の推進方策

本研究は当初3年間の予定であったが,震災復旧戦略検討システムの開発と研究のとりまとを実施するため,補助事業期間を1年延長した.2021年度は道路ネットワーク復旧計画策定手法を改良しながら分析事例の作成を進めてきた.このため,システム化において,復旧計画策定手法の改良に伴う変更の大きい機能や小さい機能が整理できてきた.そこで,2022年度は復旧計画策定手法の改良に伴う変更の小さい機能からシステムの開発に着手し,震災復旧戦略検討システムを完成させる.

次年度使用額が生じた理由

2020年度より予定していた震災復旧戦略検討システムの開発費とオンライン開催となった学会発表の旅費が未使用額として生じた.これらは次年度の経費に充てることする.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 災害レジリエンスを考慮した被災時道路啓開計画の検討2021

    • 著者名/発表者名
      井面仁志,高橋亨輔
    • 雑誌名

      感性工学

      巻: 19 ページ: 123-128

    • DOI

      10.5057/kansei.19.3_123

    • オープンアクセス
  • [学会発表] レジリエントな地域復旧を目指した大規模地震災害時における地域啓開シミュレーション2021

    • 著者名/発表者名
      高橋亨輔,井面仁志,白木渡,小笠原誠,小倉晃一
    • 学会等名
      安全工学シンポジウム2021
  • [学会発表] グラフ理論を用いた道路ネットワークの評価と物資拠点に関する分析2021

    • 著者名/発表者名
      高橋亨輔
    • 学会等名
      日本材料学会第70期学術講演会

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公開日: 2022-12-28  

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