研究課題/領域番号 |
19K15265
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
藤原 覚太 東海大学, 工学部, 助教 (40824925)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 安価材 / 被災 / 実験 / 解析 |
研究実績の概要 |
研究開始から、2,3か月の間、従前よりも精度の高い数値解析を実施し、研究開始前に想定していた通りの「剛性の低い杭状の材料であっても壁構造の被災程度が低減できる」という主張の精度をさらに高めることができた。この研究成果については、2019年6月の国際シンポジウム(ISOPE2019)に投稿、発表を行った。 当初予定していた模型実験による検討は、研究を着手して間もなく、計測機器が破損したことで、再購入(特に模型実験で使用するような小型・高精度の間隙水圧計は、特殊品のため、3か月程度の購入手続きが必要)、条件をそろえるため最初からデータをとり直す、などの理由により、当初の予定に対して遅れている。しかし、計測環境は整備され、さらに、その他実験に必要な材料(砂、砂利、対策工模型となる物質)は準備済となったため、2020年度開始時には、即時的かつ集中的に実験を実施できる状態にある。 実験の遅れの代わりに、本来は2020年度に実施するはずであった数値解析による検討を先行し、従前よりも幅広い知見を得た。具体的には、杭状の安価材は壁近くに設置する必要はなく、壁から一定(10m以上)の距離を離して設置しても、壁構造の被災に対して効果的であるとの知見を得た。これが事実であれば、本工法は土地の制約条件にしばられにくい、適用性の高い工法といえる。このことについては成果を整理したのち、近く研究期間内に学会発表を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究着手すぐに、計測機器が動作不良であり、再購入や機器の検査が完了し、実験準備が整ったタイミングで感染症が蔓延し、実験を中断せざるを得ない事態となった。一方で、実験が実施できない分、本来は2020年度に実施予定であったコンピュータを使った数値解析を進めて、得られた知見もある。総合的に見て、おおむね順調であると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
先行して数値解析を進めたので、手元にある知見が増量している。今後はこれらを実験的に検証し、机上の理論ではなく、実践的・実用的な工法であることを証明する。
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次年度使用額が生じた理由 |
計測機器や旅費が当初の想定より小さくなったため。差額は、学会活動にかかる投稿費用や出張費用にあてる予定である。
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