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2021 年度 実績報告書

究極に安価な壁構造の耐震補強に向けた研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K15265
研究機関東海大学

研究代表者

藤原 覚太  東海大学, 工学部, 助教 (40824925)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード岸壁 / 模型実験 / 安価 / 液状化 / 杭
研究実績の概要

岸壁の耐震として安価な液状化対策工法を提案するため、加振機を搭載した土槽による模型実験を実施した。実験では、弱・中・強それぞれの強さ(最大加速度0.5 m/s^2, 1m/s^2, 2m/s^2、いずれも周波数3Hz)の加振波を用いた。これにより、飽和砂は液状化して、それにより壁には変形が生じた。ここでは変形を、壁天端の変位と曲げひずみの二点に着目して、これらの大小について計測した。変形が小さいほうが、対策効果が高いといえる。
実験では、「無対策」「従来工法である、離散的に杭を打設する工法」「杭の一部をゴム筒に代用した工法(提案工法とする)」に対して実験を実施した。いずれのケースでも、加振加速度が大きくなるほど、岸壁の変形も大きくなった。「無対策」に対して「従来工法」では47~73%の変位抑制効果が得られた。一方で、「杭の一部をゴム筒に代用した工法(提案工法)」では40~63%の変位抑制効果が得られた。変位だけでなく、岸壁のひずみの計測結果からも、無対策>提案工法>従来工法という結果が得られており、壁部材の損壊防止という観点でも、提案工法は一定の効果が得られることが判明した。
提案工法は従来工法よりも、すべてが杭ではなく、ゴム筒に置き換えているため、材料費の削減が期待できる。一方で、耐震効果としては従来工法に対して劣る。耐震効果と経済的視点のバランスが重要であり、これを考える上での実測データを獲得できた。
また杭間の砂の動きを追跡するための基礎データ獲得を目的とした模型実験も実施した。ここでは対象を堤防としているが、構造物間の砂の挙動という観点からは共通しており、有用な基礎データを得ることができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] スキマを有する壁構造による堤防液状化対策に関する実験2022

    • 著者名/発表者名
      藤原覚太、Enayat Mallyar
    • 雑誌名

      令和3年度土木学会全国大会関東支部

      巻: 3 ページ: 59

  • [雑誌論文] EXPERIMENTAL STUDY FOR RETAINING WALL USING PILE COUNTERMEASURE AGAINST EARTHQUAKE2021

    • 著者名/発表者名
      Enayat Mallyar, Kakuta Fujiwara
    • 雑誌名

      The Disaster Management 2021

      巻: Volume 207 ページ: 225 - 232

    • DOI

      10.2495/DMAN210181

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] スキマを有する壁構造による堤防液状化対策に関する実験2022

    • 著者名/発表者名
      藤原覚太、Enayat Mallyar
    • 学会等名
      令和3年度土木学会全国大会関東支部
  • [学会発表] EXPERIMENTAL STUDY FOR RETAINING WALL USING PILE COUNTERMEASURE AGAINST EARTHQUAKE2021

    • 著者名/発表者名
      Enayat Mallyar, Kakuta Fujiwara
    • 学会等名
      Disaster Management 2021
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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