研究課題/領域番号 |
19K15268
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研究機関 | 国立研究開発法人防災科学技術研究所 |
研究代表者 |
池田 真幸 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 災害過程研究部門, 特別技術員 (50713575)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 災害リスク / スマートフォンアプリ / ワークショップ / 指標開発 / 行動変容 / 意思決定支援 / 南海トラフ / 臨時情報 |
研究実績の概要 |
本研究は,既存のハザードマップ等のデータとGISによる空間処理技術,スマートフォンによる位置情報取得技術を組み合わせることで,ユーザーが移動・滞在した空間の災害危険性を累積評価した指標(SOL:Safety of Life)を作成すること,ユーザーの移動履歴やアンケート調査からSOL指標による災害リスク情報の取得が認知・行動に影響を与えるかを調査する研究である。2019年度はスマートフォンアプリの開発,サーバーの構築,地震・津波・液状化・洪水に関するハザードマップデータ収集とデータベース構築,SOL指標の作成方法の研究とアルゴリズム開発を行った。本年度(2020年度)は,SOL指標に土砂災害を追加し,各分野の研究者からの助言を受けて改善等を行い,4段階の評価値を設定した。また,スマートフォンアプリの表示機能に関して防災科研研究員からの意見を集め,SOL指標の時系列グラフからある時点の自分の所在地周辺の地図およびハザードマップの閲覧に遷移する機能を追加開発した。また,当初予定していた実証実験は新型コロナウィルス感染症の蔓延の影響で外部機関との調整が円滑に進まず,防災科研研究員らを被験者とした実施に留まった。実証実験の結果から,SOL可視化アプリの使用場面を「①いまココのリスクを見る」「②まとめて1週間分のリスクを見る」「③周りのリスクを見る」の3つと定義し,1週間以上の期間のSOL評価値を取得したあとに左記3点の機能を利用して災害リスクを避けた新しい行動様式の検討するワークショップの手法を開発した。また,これら成果の一部について,災害情報学会にて口頭発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では2020年度に実証実験が終了しデータ分析に進む予定であったが,新型コロナウィルス感染症の蔓延の影響を受けて,予備実験の実施に留まった。2021年度には大阪府泉佐野市,兵庫県神戸市,宮崎県宮崎市などで実証実験を行えるよう,関係機関との調整・交渉を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は,大阪府泉佐野市,兵庫県神戸市,宮崎県宮崎市などで実証実験(本実験)を行えるよう,関係機関との調整・交渉を進めている。6月~10月の期間に実証実験を行い,これと並行して2020年度に実施した予備実験で得たデータの分析作業を進める予定である。11月以降は本実験のデータの分析を進める。また,実証実験のテーマとして,南海トラフ地震に関する臨時情報や巨大台風の接近などに焦点を絞って行うことを計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度に実施できなかった実証実験(本実験)の実施に必要な会議費等として,次年度使用の予定である。
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