研究課題
若手研究
火災原因調査において、火災現場で採取した焼損物の材質を特定することが求められることがある。本研究では、熱分解GCによる焼損物の同定手法の確立を目的とし、加熱前後の試料の熱分解GCの分析結果の変化を調べた。特に、加熱前後の変化が大きいセルロース、ポリアミド類について詳細に検討し、熱分解GCとFT-IRの比較を行った。また、複数成分から構成される試料について誤判断をする可能性があることを考慮する必要があることを見出した。
火災
本研究により、セルロース、ポリアミド類等の様々な高分子化合物について加熱による化学的な変化を熱分解GCおよびFT-IRで分析をすることで把握することができた。このような化学的な分析を行ったことは、高分子化合物の燃焼機構の分子レベルでの理解を進めたことに繋がり学術的意義のある研究成果が得られたと考えられる。また、本研究の成果は火災現場の焼損残渣物の材質同定に役立つ。これにより、火災原因調査技術の高度化が期待されることから社会的意義も高い。