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2021 年度 実施状況報告書

複雑構造固体中の熱電輸送における量子拡散の第一原理計算と実験的検証,そして応用へ

研究課題

研究課題/領域番号 19K15274
研究機関防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群)

研究代表者

北原 功一  防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 電気情報学群, 講師 (70758036)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード複雑構造固体 / 熱電輸送特性 / 量子拡散 / 第一原理計算 / 実験的検証
研究実績の概要

第三年度開始当初の目標は大きく分けて三つあり、一つ目は、従来フォノン気体模型の様な現象論に立脚して定式化されていたフォノンの輸送理論を、第一原理の理論から出発して量子力学的に定式化し直す事、二つ目は、密度汎関数摂動理論を使って電子・フォノン散乱による電子の準粒子寿命を見積もり、量子輸送理論の枠組みで第一原理的に電子の熱電特性の計算を試みる事、三つ目は、やはり密度汎関数摂動理論を使ってフォノン・フォノン散乱によるフォノンの準粒子寿命を見積もり、量子輸送理論の枠組みで第一原理的にフォノンの熱伝導率の計算を試みる事であった。しかし、電子の準粒子寿命を半経験的に取り扱う範囲での実験検証を進める中で、特に複雑構造固体において半古典理論ではホール係数の計算が破綻してしまう様な場合にも量子輸送理論では問題が生じないという興味深い可能性が見出された。それを実証する事ができれば、量子輸送理論の必要性を一層明確にする事ができると考えられるので、当初計画していなかった内容ではあるが、研究項目を追加して、量子輸送理論の枠組みでのホール係数の計算法の整理・構築を優先して進めた。一定準粒子寿命近似でのホール係数の公式の導出までは完了したが、計算プログラムの作成までは実施できていないので、第四年度に引き続き実施する予定である。本年度は第二年度に発表した論文に関する内容で、国際会議 Materials Research Meeting 2021 での招待講演を引き受け、口頭発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

研究計画の一部変更(研究項目の追加)により、当初計画していた研究項目を実施できていない事、また研究以外の業務の多忙により研究時間を十分に確保できず、実施した研究項目についても当初の想定よりも遅れている事、以上を総合して遅れていると判断した。

今後の研究の推進方策

第三年度に引き続き、ホール係数の計算と実験検証を優先して進め、完了次第、当初計画していた研究項目を実施する。なお、第四年度前半も研究以外の業務の多忙が想定される事から、十分な研究時間を確保できない場合には補助事業期間の延長を検討する。

次年度使用額が生じた理由

研究以外の業務の多忙により、研究に遅れが生じている為、当初計画よりも使用時期が遅れている事が主な理由である。遅れている分の研究計画に関わる支出を含め、当初計画の範囲内で使用する予定であり、次年度使用額が生じた事による追加の使用計画は無い。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] Interband Contribution to Thermoelectric Properties of Al-Cu-Ir Quasicrystalline Approximant2021

    • 著者名/発表者名
      Koichi Kitahara, Kaoru Kimura
    • 学会等名
      Materials Research Meeting 2021
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2022-12-28  

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