本研究では、15mass%のCrを含むフェライト鋼について、Co添加に伴う磁気特性の変化とクリープ強度の関係を調査した。Co添加によって鋼の体積磁化が室温から約800℃の温度範囲で増大し、Co添加量が異なる鋼種間の最小ひずみ速度の比と体積磁化の差は温度に対して類似した変化を示したことから、鋼の磁化の大きさがクリープ強度と密接に関連しており、磁化が大きいほどクリープ強度が上昇することが示された。とくに、低Co鋼のみが強磁性を失うが高Co鋼は磁化を維持する温度範囲において顕著なクリープ強度差が生じることが明らかとなった。
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