核融合炉に使用される材料特有の劣化事象として、炉心プラズマから発生する高エネルギー中性子に曝されることによって材料特性が劣化する、いわゆる照射脆化が極めて重要である。照射脆化は、ミクロには金属結晶中の原子がビリヤードのようにはじき出されることにより形成した格子欠陥(またはその集合体)が熱拡散過程を経て最終的に粗大な欠陥を形成することにより材料が劣化する事象である。格子欠陥は拡散中に磁壁によってトラップされると考えられるが、その詳細については明らかになっていない。本研究結果は、磁場閉じ込め核融合炉の構造材料の照射脆化予測を行う上で重要である。
|