研究課題
若手研究
Li3Fe2(PO4)3(LFP)の電極電解質一体型電池の充放電を行ったところ、160℃において優れた繰り返し安定性を示した。非水電解液を用いてLFPのハーフセルの充放電を行い、充放電前後のメスバウアー分光測定を行ったところ、充電後にFe4+の生成が観測されたことから、主にFe4+のレドックスが寄与していると考えられた。
固体電気化学
リチウム電池の高エネルギー密度化のための方策の一つとして、高電位化が挙げられる。有機電解液を用いる従来型のリチウム電池では電解液の分解が併発するため高電位正極の適用が難しい。本研究では、正極、負極、固体電解質の3つの役割を単一の酸化物系材料が担う「電極電解質一体型電池」を利用して酸化物の全固体電池を作製し、高電位正極反応の開発を検討した。Li3Fe2(PO4)3を全固体電池として用い、その充放電サイクルが優れているとともに、正極反応としてFe4+が生成していることを明らかにした。