本研究では、ワイヤ溶融・積層方式の金属3D造形技術(溶融金属積層法)を応用することで、ミリスケールで高強度層(硬質層)と高延性層(軟質層)を複合化した、 高強度・高延性 を兼備する複合鉄鋼材の概念を提唱し、その機械的特性の明確化を目的とした検討を行った。具体的には、高強度材料としてマルテンサイトステンレス鋼を、高延性材料としてオーステナイトステンレス鋼を用いた複合鉄鋼材を製作し、造形材全体としての機械的特性の評価、強度・組成・ミクロ組織分布の評価を行った。その結果から、溶融金属積層法により、形状に加えて強度特性をもデザインした3次元構造物の製作の可能性を示すことができた。
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