研究課題
マグネシウム合金板材の高強度・高延性化および高成形性化を目的として、Mg-Zn-Ca基合金およびMg-Al基合金の結晶粒径や集合組織などの組織因子と機械的性質・プレス成形性に及ぼす添加合金元素や加工熱処理条件の影響を調べた。2019年度に提案したMg-6Zn-0.2Ca(mass%)合金に微量な希土類元素を添加したところ、加工熱処理後の結晶粒径は顕著に微細化し、引張特性や室温張出し成形性は向上することがわかった。また、イットリウム(Y)を添加した合金の場合、時効処理を施しても延性の劣化が小さく、既存アルミニウム合金や近年開発された室温成形型マグネシウム合金よりも優れた強度-延性バランスを示すことを見出した。Mg-Zn-Ca基合金の一層の特性改善を目的として、Zn添加量を低減したMg-2Zn-0.5Ca-0.2Al-0.2Mn(mass%)合金も提案した。Zn添加量を低減することで、溶体化処理後には粗大な金属間化合物がほとんど存在せず、延性および室温成形性を大きく改善できることがわかり、エリクセン値にして9mm程度の高い室温張出し成形性と~170MPaの引張耐力を同時に付与できることも明らかにした。Mg-5Al-Mn(mass%)合金を用いて、圧延材の集合組織形成メカニズム解明も進めた。本合金に高温で圧延加工を施すと動的再結晶が顕著に生じ、マグネシウム圧延材特有の強い底面集合組織を形成する。低温の圧延加工時には動的再結晶はほとんど生じないものの、せん断帯が多く形成する。熱処理中にはせん断帯内で顕著な粒成長が起こり、マグネシウムのc軸が圧延方向にのみ傾斜した異方性の大きい集合組織を形成することがわかった。一連の組織形成メカニズム解明から、圧延温度の最適化に成功し、中濃度Mg-5Al-Mn 合金でもエリクセン値にして8.2mmの優れた室温張出し成形性を発現することに成功した。
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