高炉製鉄における安定で高効率な操業のためには、炉内の温度分布を支配する通気性の制御が最も重要であり、粒子軟化溶融による通気性への影響の予測・制御を可能にする革新的プロセス技術を開発する。鉄鉱石、コークスからなる高炉内粒子充填層のモデルを三次元造形(3Dプリント)し、高温ガス流通時の圧力損失変化の測定から、軟化溶融時に一定の通気性を維持するための非軟化粒子の配置や構造、配合比を明らかにすることを目指した。ADEM(Advanced Distinct Element Method)とSPH(Smoothed Particle Hydrodynamics)を組み合わせた手法により、鉱石の昇温時における軟化溶融挙動の再現に成功した。得られた出力ファイルから三次元造形するための形状データを作成し、実際に印刷可能な形式へと変換することで計算と同一の充填構造を作成するためのプログラムを開発することができた。
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