研究課題/領域番号 |
19K15331
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石原 真吾 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (40760301)
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研究期間 (年度) |
2021-03-01 – 2023-03-31
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キーワード | 三次元造形 / 通気性 / 軟化溶融 / シミュレーション / 高炉 / 粒子法 / ADEM / SPH |
研究実績の概要 |
粒子軟化溶融現象が高炉内充填層の通気性に及ぼす影響を明らかにすることを目的とし、充填層内の粒子挙動を解析するシミュレーションモデルの開発を行った。ADEMとSPHのカップリングモデルにより、非球形粒子の破砕や軟化溶融挙動の一連をシームレスに解析することが可能となった。また、計算で得られた粒子充填層の三次元構造データを3Dプリンタで出力し、昇温時の構造変化と通気性の関係を実験的に把握するための検討を行った。 計算で得られた粒子座標データを3Dプリント用のデータに変換する際、特に粒子の接点において構造データが不正に変換される場合があり、データ変換プログラムを改良することで対応した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
充填層内の粒子挙動を解析するモデルの開発が順調に進行し、単一粒子の昇温実験時における軟化溶融挙動を再現可能であることが確認されている。また、充填層の荷重軟化試験結果と計算結果を比較すると、単一粒子の荷重軟化試験で得られた強度特性をシミュレーションパラメータとして入力することで、充填層での荷重軟化試験結果を再現可能であることが確認された。以上のことから、研究は概ね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究では、シミュレーションで得られた粒子座標データを用いて3Dプリントし、計算と実験の直接比較から、充填層内での軟化溶融現象が通気性に及ぼす影響をより詳細に解析している予定である。また、充填層内に異種材料を配置し、融点や強度の異なる粒子が共存した場合の充填層の構造変化について検討を進めて行く予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初参加予定であった学会がオンライン開催となるなど、出張旅費として計上していた分が使用されなかったため、次年度に使用することとした。延期開催となった学会の出張旅費として使用するか、実験消耗品の購入に充てるか、感染状況に応じて適宜判断する。
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