本研究で得られた知見は,今後の環境・エネルギーに関連した機器の部材を高性能化するために重要な示唆を与えるものである.既存の材料で作製される多孔質膜の性能を最大限活用するための成膜プロセスおよび材料の選定について,重要な知見を示した.すなわち,湿式プロセスで作製される多孔質膜の透過率や表面粗さなどの物性と成膜条件の関係に関する実例を示すとともに,ウェット膜から乾燥後の多孔質構造が形成される過程の示唆を与えた.本研究は,燃料電池の触媒層等,既に使用されている多孔質膜の性能を向上させるために,新たに材料を開発する際の方針および既存の材料を用いた場合の性能向上に関する指針になりうると考える.
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