研究課題
前年度までの検討から、当初計画していた活性炭上の含窒素官能基では塩基性が弱すぎるために活性点として機能できないこと、確実に機能する強塩基性の化学種を担持する必要があること、それを目的としてMgとAlから成る層状腹水酸化物(ハイドロタルサイト)の担持を試みたもののMg-Alハイドロタルサイトがうまく形成・担持されなかったことが課題となっていた。そこで本年度は、様々な2価カチオン(Mg、Ca、Ni、Co等)と3価カチオン(Al、Ce、La等)の組み合わせについて、ハイドロタルサイト様化合物を活性炭表面に構築することができるかどうかを検討することとした。活性炭存在下、共沈法によりハイドロタルサイト様化合物の形成・担持を試みたが、いずれのケースでも複合水酸化物ではなく単一の水酸化物が得られる結果となった。どの水酸化物も、目的反応を実施する熱水条件では溶出してしまうために耐久性に難がある。したがって、今回採用した手法では、望みとする活性炭から成る表面反応場+塩基性サイト(=触媒活性点)という触媒設計方針を満たせないことが分かった。一方、はじめに担体表面に金属ナノ粒子を担持させ、これに対して配位子的に金属酸化物クラスターを修飾・担持できることが明らかになっている。この結果は、あらかじめ強塩基性を示す金属酸化物クラスターを調製し、同法により金属ナノ粒子上へと配位指摘に導入すれば、望みとする触媒材料が得られる可能性を示すものである。
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