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2023 年度 実施状況報告書

部位特異的脂質化抗体によるイムノリポソーム型抗がん剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K15369
研究機関北九州工業高等専門学校

研究代表者

高原 茉莉  北九州工業高等専門学校, 生産デザイン工学科, 助教 (40804563)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
キーワード両親媒性ペプチド / イムノリポソーム / 抗体 / 脂質修飾 / 微生物由来トランスグルタミナーゼ
研究実績の概要

本研究においては、高い薬物搭載量のリポソーム及び標的特異性に優れた抗体の利点を最大限に生かした、抗体を係留したリポソーム (イムノリポソーム) 開発に向けて、微生物由来トランスグルタミナーゼ (MTG) を介した部位特異的に脂質化抗体を合成することである。MTGとは、特定のグルタミン (Q) およびリジン (K) 側鎖間の架橋反応を触媒する酵素である。本年度は、MTG反応を介して抗体へ修飾可能な脂質ペプチド基質の設計を行なった。具体的には、リポソームの係留部位としてコレステロール (Chol) が、ポリエチレングリコール (PEG) リンカーを介してMTG基質配列に付与された、脂質化ペプチド基質 (Chol-PEG-RHK) を設計した。このRHK基質配列は、塩基性アミノ酸R及びHと隣接することでMTGが認識可能なリジン (K) となり、RHK配列の親水性とコレステロールの疎水性により両親媒性を示す。
脂質化ペプチド基質Chol-PEG-RHKは、乳がん細胞に過剰発現したHer受容体と相互作用するHer2抗体をモデルとして、リポソーム存在下でのMTG反応条件の最適化を行なった。抗体はまず脱糖鎖酵素PNGaseFによりMTGが認識可能なグルタミン (Q) を露出させた後、リポソーム及び脂質化ペプチドを過剰量添加してMTG反応を行なった。その結果、リポソーム存在下においても抗体への脂質化ペプチドラベルが確認され、MTG反応により1段階でイムノリポソームを調製可能なことが示唆された。また、イムノリポソームの粒径は、元のリポソームとほぼ同等であることも確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は脂質化ペプチド及びMTGを用いてリポソーム存在条件下においても抗体に脂質化ペプチドをラベル可能なことが示唆され、イムノリポソームの簡便な調製条件が確立されたため。

今後の研究の推進方策

得られた脂質化抗体及びイムノリポソームにおける抗体の脂質修飾率をLC-MSで定量し、脂質修飾サイトまで同定する。脂質化抗体の機能性はHer2過剰発現細胞 (NCI-N87) に作用させて評価する。

次年度使用額が生じた理由

研究を遂行できない異動準備期間があったため。本年度は論文投稿費用及び細胞実験経費で全額使用予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] トランスグルタミナーゼよる抗体脂質修飾法の検討2024

    • 著者名/発表者名
      高原茉莉, 神谷典穂
    • 学会等名
      日本化学会 第104春季年会

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公開日: 2024-12-25  

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