研究課題
若手研究
金属クラスターの触媒機能は、粒径や組成等に強く依存するため、これらを精密に制御することは、触媒機能を改善する上で重要な課題である。金属クラスターの新たな触媒機能を解明するためには、単一元素種だけではなく、二種類の元素種からなる二元金属クラスターの新たな合成法の開発が必須となる。本研究では、ポリアミドアミンデンドリマーを用いて合成したAuクラスターに対し、錯形成部位を有するチオールを他金属元素との架橋サイトとして用いることで、二元金属クラスターの新規合成法の開発に成功した。
クラスター化学、ナノ構造化学
本研究の遂行により、錯形成部位を有するチオールを他金属元素との架橋サイトとして用いることで、粒径2 nm以下の二元金属クラスターの新規合成法を確立することができた。これまで、クラスターサイズの二元金属クラスターの合成は、限られた合成法でのみ可能であったが、本研究で確立された新規合成法により、新規組成の二元金属クラスターが合成できる可能性に繋げることができ、金属クラスターの新規の触媒機能の開拓などの足がかりとなる可能性があり学術的意義も深いと考えられる。