本研究では、空間反転対称性が破れた原子層材料、遷移金属ダイカルコゲナイド(TMDC)、が有する特異な電子構造を利用することで、室温において円偏光発光の電気的制御法を確立し、光共振器の導入を行うことで最終的には円偏光発光素子及びレーザー素子の作製を目的とした。これに対し、まず、TMDCの歪み効果による対称性変調を活かした室温円偏光の電気的制御法を確立した。次に、この手法を基に、TMDCのヘテロ接合の界面歪みを利用した円偏光発光素子の作製に成功した。最後、様々な光共振器を導入した発光素子を作製することで、共振器モードや励起子ポラリトンによる発光を観測し、高機能な発光素子を実現した。
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