研究課題
若手研究
本研究は、ミセルのような自己集合体に頼らない非崩壊型ナノ粒子の設計およびその粒子構造と生体内挙動の相関関係を明らかにすることを目的とした。非崩壊型ナノ粒子としては、コア架橋粒子と分子ボトルブラシ系の高分子を採用し、それらナノ粒子構造を制御する技術の開発に成功した。また、粒子表面の高分子鎖密度とナノ粒子の生体内動態および薬剤除法の関係性を明らかにした。この研究成果から、バイオ分野で注目されているナノ粒子を利用した薬剤送達システムにおけるナノ粒子設計指針を確立することができた。
高分子化学
ナノ粒子を利用した薬剤送達システムの開発が急務の中、未だに応用に至った薬剤の開発には大きな障壁がある。その最大の原因として、ナノ粒子が生体内において迅速にクリアランスされてしまうことが挙げられる。本研究により、ナノ粒子構造とこのクリアランスの相関関係を解明することができた。この成果により、薬剤送達システムにおけるナノ粒子設計指針を確立することができ、これからの薬剤開発に大きく貢献されることが期待される。