研究課題/領域番号 |
19K15413
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
甲斐 洋行 東北大学, 材料科学高等研究所, 助教 (00760167)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ウェアラブルセンサ / 多孔質材料 / 開放型流路 / 表面濡れ性 / 流体解析 |
研究実績の概要 |
フラクタル開放型流路における水滴輸送の数値シミュレーション手法について検討した。OpenFOAMソフトウェアを用いた自由表面流れ解析により,濡れ性をパターニングした基板表面上における水滴の一方向輸送を,数値計算においても再現することができた。また,複雑に入り組んだ濡れ性パターンをOpenFOAMの入力データとして生成し,水滴輸送の数値計算を行い可視化するワークフローを確立した。今後,フラクタル開放型流路における水滴輸送・収集について,数値計算と実験の併用による系統的な理解が進むことが期待される。
また,ポリグリシジルメタクリレートのモノリスに無電解金めっき処理した多孔質マイクロニードル電極について,BET法による比表面積測定を行い,多孔質構造により比表面積が大きく増大したことが明らかとなった。また,電極にグルコースオキシダーゼを修飾した後,グルコース応答性を測定すると,多孔質構造の電極の感度(グルコース濃度あたりの出力電流)は非多孔質のものと比べて上昇した。これらにより,多孔質構造の大きな比表面積が,高感度なマイクロニードルセンサを作製するために有用であることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
生体成分センサや体液収集のメカニズムの基本実証および,皮膚上での体液収集のシミュレーション基盤の構築には成功したものの,実際の皮膚上で体液を収集して動作するセンサの開発には至っていないため。
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今後の研究の推進方策 |
フラクタル開放型流路による皮膚上での汗収集の挙動について,実験および数値計算の手法を用いて検討・最適化するとともに,各種センサとの統合方法を検討する。また,マイクロニードルセンサに用いる多孔質電極材料の探索とマイクロニードルの試作を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症流行により実験が中断し,また,その後の実験進捗が当初の計画より遅延したため。
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