研究課題/領域番号 |
19K15426
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
太田 亘俊 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (60705036)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | マイクロバンドルプローブ / キャピラリー / 微量液体採取 / 細胞分泌物 |
研究実績の概要 |
本研究は、細胞分泌物による細胞間コミュニケーションの簡便な分析を実現するため、毛細管(キャピラリー)を密に集めることで、ピペット等では難しい複数個所からの微量液体採取を、任意の回数行うことができるマイクロバンドルプローブ(以下、デバイス)の開発を目的としている。当該年度はデバイスの試作と動作確認を行い、単一キャピラリーによる微量液体採取とその検出方法の検討を開始した。 デバイスの試作では、キャピラリーの3点を操作し束ねることができる結束式ジグと、キャピラリー先端のみが操作できる先端制御式ジグの2種類を作製し、ガラスキャピラリーを装着した上で、その位置精度と操作性を評価した。結束式は数十本のキャピラリーを束ねることが可能なため、同時採取個所の増加に有効であることが分かった。一方、先端制御式はキャピラリーを個別に操作することが容易で、位置精度を安定させやすく、8本までの少数キャピラリーの運用に適することが分かった。また、先端制御式ジグとマルチチャンネルピペットを組み合わせたデバイスを用いて、複数個所から同時に液体採取可能であることを確認した。 並行して、培養環境下の神経細胞近傍から単一キャピラリーを用いて微量液体を採取し、同一個所から複数回の試料採取ができることを確認した。また、ペプチド検出を目的とした質量分析法、アミノ酸等の小分子検出を目的とした蛍光標識法およびELISA法を対象とした、細胞分泌物測定法の検討を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度の研究計画では、(1)単一キャピラリーによる液体採取評価、(2)デバイスのインターフェース部の作製、(3)デバイス全体の構築、の達成を計画していた。構築されたデバイスは、細胞分泌物検出法にあわせた設計変更や、精度と操作性の向上を目的とする改良が必要となる可能性はあるが、現時点で複数個所から同時に微量液体を採取するという当初の要件は満たしており、次年度研究計画を開始できる状況である。
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今後の研究の推進方策 |
当初予定していた通り、(1)デバイスによる複数回微量液体採取の検討と(2)細胞分泌物検出法の検討を行う。以上の検討結果を踏まえ、必要に応じて現在のデバイスに変更を施す。 また、(2)細胞分泌物検出法の検討を進める上で、夾雑物が細胞分泌物の検出を阻害する場合、灌流式培養デバイスの構築を検討する。現段階では、培養培地交換による細胞刺激を抑えるため、細胞分泌物と培養培地を同時に採取する方法を検討している。しかし、より夾雑物が少ない培地からの試料採取が望ましいことが判明した際は、培地切り替えによる細胞刺激を緩和するため、灌流式培養デバイスが必要となる。
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次年度使用額が生じた理由 |
デバイスジグの試作を重ねた結果、当初購入予定であった精密ステージとジグの寸法等が乖離したため、次年度使用額が発生した。精密ステージとステージ制御ユニットについては、現在のジグに合うものを来年度購入する予定である。
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