細胞分泌物の簡便な定点経時測定を目指し、本研究ではキャピラリーを密に集めることで複数の領域から任意の回数の微量液体採取が可能なマイクロ流体デバイスを開発した。このデバイスは、キャピラリー先端位置と液体の流出入口を制御することで、導入液体で刺激する細胞と採取を行う細胞近傍液体の範囲を決定できる。このデバイスを通じて、培養皿上の培養筋芽細胞に対してトリプシン水溶液を導入し、最小で0.004平方mmの局所的な細胞剥離ができることを確認した。また、デバイスによりリポ多糖刺激の有無を制御して隣接する2つの培養マクロファージ群に与え、それぞれの細胞群で分泌物量変化が有意に異なることを経時測定から示した。
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