本研究では研究代表者が開発した多層金誘起層交換成長(ML-GIC)法を改良し,n型Ge結晶の低温形成を目指して,Ge結晶膜中の欠陥起因の正孔濃度の低減を試みた.具体的には,従来のML-GIC法で用いていた(a-Ge/Au)x多層構造の代わりに,a-Ge中にAuをドーピングしたGeAu層を用いた.GeAu層を用いたGICでも,X線回折法や電子線後方散乱分光法などにより(111)配向したGe結晶層の形成が確認された.しかしながらGeの結晶サイズは~120 umと従来のML-GIC法の1/8程度の大きさしかなく,また正孔濃度も結晶サイズの低下に伴う結晶粒界の増大の影響で増加する結果となった.
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