研究課題
2021年度はその前年度から継続してテーパーファイバを用いて、CRDS計測用のファイバ分光用キャビティを構築し、出力のリングダウン特性を確認した。そして、本研究では、実用的な完全ファイバ型分光システムを開発するために、量子効率が高く、高出力が得られる1 μm波長帯のYb添加ファイバを用いる手法と、中赤外帯域でよく使われる2 μm波長帯のTm/Ho添加ファイバを用いる手法の2種類(2波長)のアプローチで、ファイバレーザに基づく光周波数コム光源(シードレーザ)の開発を進めた。光周波数コムに関しては、繰り返し周波数が高ければコムの縦モードの間隔が広がり、取り扱いやすい有用なコム光源となる。そこで,短尺の共振器を用いて、非線形偏波回転型のYb及びTm/Ho添加超短パルスファイバレーザを構築した。続いて、そのパルスレーザ出力の繰り返し周波数を制御するためのPID電気回路を開発し、長期安定性に優れた光源を実現した。その後は、一対の光源を利用し、フォトニック結晶ファイバを用いて、2-3um帯のRamanソリトン型の波長可変光源を作った。この波長可変光源を使って、CRDSファイバキャビティ中に測定対象であるガスを注入し、分光実験を行い、CRDS用最適なテーパー長を探索する方法を確立した。本結果により、高分解能で安定性の高い完全ファイバ型ガス分光CRDSシステムの実用化への道筋を立てることができ、研究機関の実験室に限定されてきら高感度・高分解能な中赤外分光法の応用先を一般工場や医療機関等にまで拡大し、社会の幅広い分野への適用が期待できる。
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