材料の濡れ性は、固体/液体界面での物理的、化学的相互作用であり、原子炉においては熱変換効率等の伝熱特性の制御因子として、重点研究テーマに位置づけられる。本研究では、放射線誘発表面活性(RISA)効果を活用した原子力材料の濡れ性の向上を研究目的とし、高温、高圧、および高照射線量環境下での材料の濡れ性予測を試みる。本研究取組を通し、材料の濡れ性はUV、γ照射によって改善し、この挙動は、試料表面への疎水基/親水基の吸着によって支配される。また、重イオンビーム照射では材料の物理的/化学的特性の変化することを明らかにした。これらの知見は、RISA効果に基づく機能性材料開発のガイドラインに資する。
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