9Beに対する重陽子核反応が低入射エネルギーでも中性子を発生させることから、d+Be中性子源は可搬型中性子源の有力な候補であるといえる。しかし、重陽子核反応データの精度が不十分であったため、その検討が十分に行えない状況にあった。 本研究では、重陽子核反応に特徴的な反応過程を考慮した計算手法に基づいて精度の良い重陽子核反応データベースを開発し、一般に公開した。これにより、上記の状況が打開されたと言える。 また、開発したデータベースを用いたシミュレーションも行い、d+Be中性子源の可搬型中性子源への適用性も示した。この結果に基づき、今後、可搬型d+Be中性子源の更なる検討が進むことも期待される。
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