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2019 年度 実施状況報告書

有機炭素含有銅鉱石の資源処理・精製プロセス開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K15487
研究機関秋田大学

研究代表者

芳賀 一寿  秋田大学, 国際資源学研究科, 准教授 (10588461)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード有機炭素 / 銅鉱石 / 浮選 / 浸出 / 金属回収 / 鉱物処理
研究実績の概要

研究初年度である2019年度は、対象となる鉱石試料の分析を行うとともに、浮選による銅成分の濃縮および脈石成分(炭酸カルシウムやシリカなど)の分離除去条件の検討を行った。対象となる銅鉱石試料の銅品位は2.08%、鉄品位は5.37%、カルシウム品位は12.2%であった。また、本銅鉱石には有機炭素が0.98%含まれている。そのほか、鉱物組成としては、銅鉱物として黄銅鉱(CuFeS2)のピークが確認されたほか、脈石としては石英(SiO2)、苦灰石(CaMg(CO3)2)、方解石(CaCO3)が確認された。
この鉱石試料に対し、浮選試験を実施した。浮選機にはデンバー型(1L)の浮選機を用い、捕収剤としてAP3477、起泡剤としてMIBCを用いて浮選を行った。その結果、15分間の浮選を行うことで、銅品位は10%まで上昇し、カルシウム品位は5.5%まで低下させることができた。しかしながら、銅の回収率は70%に留まるなど、銅の回収という観点では、不十分な結果となった。銅回収率の向上を目的に、浮選時間を延長し20分間の浮選を行った。20分間浮選を行うことで、銅回収率は85%まで上昇したものの、精鉱中の銅品位は5.9%まで減少したほか、カルシウム品位は7.5%まで上昇した。また、浮選により得られた銅精鉱を対象とした高温高圧浸出実験を開始し、条件によっては高い銅進出率が得られることを明らかにした。
以上、浮選を適用することで、銅品位の向上およびカルシウム品位の低下という目的を達成できることを明らかにできたが、最適な浮選条件の設定には更なる検討が必要である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究初年度で実施予定であった浮選により銅濃縮および不純物除去条件をある程度見出すことができたほか、銅品位を約10%程度まで高めた銅精鉱を得ることに成功した。また、本精鉱を対象とした予察的な浸出実験を開始し、銅を効率的に進出できることを明らかにした。当初の目標としていた浮選条件の最適化には、次年度も更なる検討が必要となるが、2020年度に実施予定であった高温高圧浸出実験に着手するなど、円滑に研究を実施てきていることから、「(2)おおむね順調に進展している。」と判断した。

今後の研究の推進方策

研究初年度で得られた浮遊物(銅精鉱)を対象に、高温高圧浸出条件を用いた銅浸出ができるか検討する。また、実操業への展開も視野に入れ、高パルプ濃度での浸出試験や浸出時間の影響も再検討し、精鉱中に含まれる各種金属の浸出挙動を調査する。そのほか、得られた銅浸出液に対して、銅を選択的に分離濃縮するための溶媒抽出試験を行う。溶媒種、抽出時間、温度、抽出段数、脱離条件などの抽出・脱離条件の影響を十分に調査し、浸出液からの銅を濃縮する条件を明らかにする。また、2020年度導入予定の「溶媒抽出-電解採取連続実験システム」を独自で設計し、溶媒抽出と電解採取を連続的に行う際の問題点を抽出する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Recovery of copper and iron from rougher concentrate of carbonaceous copper ore by pressure leaching2019

    • 著者名/発表者名
      Kazutoshi Haga
    • 学会等名
      EARTH2019
    • 国際学会
  • [学会発表] 選鉱学的手法を組み合わせた難処理銅鉱石からの銅と鉄の回収条件の検討2019

    • 著者名/発表者名
      相模陸
    • 学会等名
      資源・素材2019(京都)

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公開日: 2021-01-27  

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